「飲み会いつにする?」というメッセージは暫くの間見てみぬふりをしていた。

大学時代の同級生2人とのLINEグループの中で「今度みんなで集まって飲もう」という話がどんどん進んでしまっていたのだ。

『別に行きゃいいじゃん』
とあなたはお思いだろうが、わたしは飲み会ってやつがあんまり好きじゃない。

・居酒屋の食べ物、飲み物の値段のボったくり感に納得いかない
・帰りの電車が大抵満員電車でぎゅうぎゅう詰めにされる
・駅に落ちてるゲロを見るのが怖い
・「禁煙の店が良い」って言ったのにタバコの匂いがする店に連れて行かれることがある
・寒い
・眠い
・それよりブログを書くかhuluで「鬼三村」を観たい

飲み会に行きたくない理由は数えればキリがない。

 
それとなく「スカイプ飲みやらないか。パソコンのカメラとマイク使ってネット経由でやる飲み会」とアピールしてみたが、

「なにそれ!www 面白そう~!!やろやろ!!で、会うのは今度の土曜日でいい?

と流れてしまった。

『そんなに行きたくないなら行かなきゃいいじゃん』
とあなたはお思いだろうが、わたしの気の弱さでは「行きたくない」なんて言えなかった。断る理由が見つからなかったのだ……。

当日の夕方、『行きたくない』気持ちがピークになっていた。人に会うならその前にお風呂にも入らなければならないし、まだブログの更新もできてない。寒いし眠いしドタキャンしよう……そう思ってLINEで「ごめん、わたしだけスカイプ飲みにしてくんないかな……もしくは二人だけで飲んでていいよ」と打ってみたものの

そういえば二人ともわたしのために日程を合わせてくれたんだよなー』と思い出し、送信できなかった。

『もしもドタキャンしてこの2人に嫌われたら、ネット経由以外の付き合いのある知人が0になる。それは結構ヤバい気がする……』


土曜夜の秋葉原は『やっぱ帰ろう』と思ってしまうほどの人の多さだった。ビルに入るためのエレベーターの前に長い行列が出来ていた。


『久しぶり』

すっかりOLさんって感じの2人は、いつまでも地方の女子中学生みたいなわたしを見て引いてやしないか……そんなことをずっと心配していた。

『ブログずっと読んでたよー』
『一時期更新止まってて病んでるんじゃないかって心配してた』
『移転した後のやつも読んだよ』
『コメダ検定優勝よかったね!!!』

そうか、暫く会ってなくてもブログを書いていれば話は繋がるんだな……

ブログに書いたネタなどのおかげで飲み会でいつも感じる「アウェー感」を感じずに済む。


そのうち大学の時の話になった。

わたしは最近
大人がよく言う「俺も学生時代は遊んでたな~」の“遊ぶ”って具体的にはどんなことを指すんだろう』ということについて真剣に悩み、ずっとネットで「遊ぶ 意味」などのワードで検索をかけていたので、
わたしよりも正しい女子大生ライフを送っていたであろう2人に

「みんなは学生時代、休みの日にどんな遊びをしていたの?」
 
という疑問をぶつけてみた。



「課題」(ともみ氏)

返ってきた言葉に度肝を抜かれた。課題。確かに我が母校津田塾大学は課題の多さで有名である

「家にいるか、バイトしてた」(みどり氏)

なんと、どちらもそんなに遊びらしい遊びをやっていないことが分かった。授業終わりにご飯を食べたり喋ったり、カラオケに行く程度のことはしたらしい。


結局全員「遊び」の具体的な意味が分からなかったので、皆で遊ぶとはどういうことなのかの推測をしてみた。


「わたし(暇女)がネットで調べた時は、『カラオケ』『ビリヤード』『ダーツ』とかが遊ぶことだと書いてあったよ」



「ダーツ!!!!」


「それだ!!!!」


「遊び」=「ダーツ」というイメージが固まった。
しかしいくら何でも世に言う遊び人たちが毎日毎日ちっちゃな的に矢を放つだけで時間を潰していたとは思い難い。それは遊び人じゃなくてダーツマンだ。


暇女「とりあえず『遊ぶ』とは海に行くことじゃないか?」
みどり「クラブで踊ることじゃないか?」
暇女「合コンじゃないか?」
ともみ「〇〇っていうアプリは外国人といっぱい出会えたな~」
暇女「・・・え?!」
みどり「え?!!」

色々と案を出してみたが、津田塾大学の学生には地理的に難しいものが多かった。海は遠すぎだし、クラブなんて近くに全然ない。「小金井カントリー倶楽部」というゴルフ場しかない。


「わたし、昔Facebookで見たんだけど……、青学の子たちが『リムジンパーティー』っていうのやってた」

ともみちゃんの突然の告白に場が静まり返る。



・・・リムジンパーティー・・・


圧倒的充実感のある響きだ。「Facebookで見た」「青学の子たち」という前フリもエッヂが効いていてズンズン突き刺さってくる。


これだ。わたしたちが探し求めていた「遊び」の最上級はきっと「リムジンパーティー」に違いない。

早速みんなでリムジンパーティーをやろうと盛り上がったが、リムジンパーティーは最低人数が7人とか8人とかいないと利用できないという。


暇女「なんだ。結局友だちの多い奴しか乗れない仕組みやん……」

ともみ「わたしの知人をかき集めたら何とかイケそうだよ……」 
 

自分のブログを見てくれている友だちならコミュニケーションもスムーズに進みそうだが、よく知らない人とリムジンに乗るなんて絶対直前に『行きたくない』が炸裂するだろうな……。

しかしリムジンパーティーはネタとしてめちゃくちゃ引きがあるので実行したい。もはやわたしの原動力は「ブログに書けそうだから」しかない。

とりあえず我が人生に数えるほどしかないであろう「飲み会」という社交の機会を逃さなかったことで新たな道が見えた気がする。次回からは飲み会じゃなくて昼間にコメダ珈琲に集まろうと決めた。

ちなみに皆に会うまでネタにしようと考えていた「20分間ポジティブなことしか口にしてはいけない」というルールは3分くらい経った後に「やっぱネガティブなこと話すほうが楽しいよね!」とあっという間に消えてなくなり、ストレスを溜めがちな性格のわたしたちは遅くまで愚痴に花を咲かせていたという……。
 
 
limo