映画館の入場料は高い。1800円もする。

1800円あれば若手芸人のお笑いライブで2~3時間笑ったあと出待ちしてお喋りを楽しんでもお釣りがくる。 

1800円あればコメダ珈琲でブレンドコーヒー・ミックスサンド・ミニサラダ・ミニシロノワールを食べて200円のお釣りがくる。

「1800円あれば」の例が分かりにくかったかもしれない。

とにかく1800円は結構高いと思う。わたしは割引のある水曜日か会員デー以外は滅多に映画館に行かない。


ところが先日ラジオ(三四郎のオールナイトニッポン0)を聴いていたら「アズミ・ハルコは行方不明」という気になる名前の映画の話が出た。

「Google」という大手検索エンジンで調べてみると、その映画には「JK(女子高生)の集団が男を暴行する」シーンがあるらしい。
それって一体どういうストーリーなんだ……?! 


「この映画は全女子の味方でした。これを男の監督が作ってくれたのが嬉しい」という感想を観て更に気になる度が増した。この気になり方は「行け」ということに違いない。

レディースデーでも映画の日(1日)でもなかったが、生まれて初めて映画を公開初日に観に行くことにした。


「新宿武蔵野館」という映画館の客層がそうなのか、公開初日だからか、周りに座っている客は「映画マニア」という風貌の人が多かった。いつも通っているシネコンのような客がいない。厚い眼鏡をかけて腕を組み、『お手並み拝見』という感じで薄く笑っている感じの40代ばかり見えた。なぜか下駄を履いている人もいる。


ものすごくざっくり言うと「振り回され傷ついた女の子たちが世の男たちに復讐をする・あるいは別の世界に逃げて新しい人生を送る」という内容の映画で、わたしは『面白い・小気味いい』と思ったが、男性が観たらどんな感想を持つんだろう……と不安になった。おじさんが女子高生たちに無差別にボコられるシーンなど特に。

両隣に座っていた映画マニア風のおじさんたちに感想を……聴くほどの勇気が出なかったので、舞台挨拶に来ていたこの映画の監督・松居大悟さん(31)に、サインをもらいがてら話しかけてみた

jk

暇ちゃん「松居監督は男性なのに、どうしてこういう映画を撮ろうと思ったのですか?」


jk1

松居カントク「うーん、男性『だから』撮ろうと思ったのかもしれないですね」
jk
 
暇ちゃん「男性だから、ですか?」
 
jk1

 松居カントク「男だから、女性のことが分からなかった。だから理解したかったんです。女性がどんな気持ちで日々生きているのか。女性がどんなことに痛みを感じていて、どんな風に傷つくのかを。映画を撮ることでそれを追体験しようと思ったんです」


「女性を理解したかった」という言葉を聴いて嬉しくなった。男性は女性のことを「ブス」「きれい」「かわいい」「貧乳」「巨乳」くらいのカテゴリでしか見ていないと思っていたが、ちゃんと見てくれようとしている人もいること、映画の中でちゃんと女性のありのままの姿を映そうとしてくれる男性がいることがとてもありがたかった。
jk

暇ちゃん「あのう……」

jk1

松居カントク「はい!」

jk

 暇ちゃん「……これからも、こういう女性の映画を撮ってください!」


jk1

松居カントク「……はい!」 


本当は「これからも、女のいいところも汚いところも全て包み隠さずありのままを映した映画を撮ってください」とか、「今までのねじ曲がった『女像』を覆すような、本当の女が出てくる映画を撮ってください」とかそういうニュアンスのことを言いたかったのだが、後ろにもいっぱい松居カントクと話したい映画ファンが並んでいたので「ありがとうございます」と言って会場を後にした。


入り口付近で『なんかカッコいい人がいるな』と思って反射的に避けた人が、『ニーチェ先生』などのドラマに出ていた俳優さんだった(容姿の美しい人を見ると、美しくない自分が恥ずかしくなるので逃げる)。


公開初日に映画を観に行くと、映画マニアたちと一緒に映画を観れたり、舞台あいさつに来た監督と直に話す機会をもらえたり、俳優さんを目撃できたりすることが分かった。

これからも映画代をケチらず公開初日に映画を観に行ってみようかと思う。