4日前、『この世界の片隅に』という太平洋戦争時代を描いたアニメーション映画を観た 
映画のレビュー記事でも書こうと思ったからだ

主人公たちに感情移入してしまっているので、『こんなひどいことをするアメリカ本当に嫌い・むかつく』という思いが湧いた
だがアメリカ人は『日本が先に真珠湾攻撃を仕掛けてきた。原爆を落とすのはその報復に過ぎない』と考えていることを知り、映画の挿入歌の通り「悲しくてやりきれない」気持ちになった

映画を観た日の翌日、たまたま本屋で『サイン会のお知らせ』のポスターを見つけ、全然知らない作家だったが行ってみることにした
「暇だから知らない作家のサイン会に行ってみた」というタイトルのブログを書こうと思ったからだ

とりあえずその人のエッセイを買って開いてみると、「はじめに」のところに、「今回、とくに読んでほしいのが、太平洋戦争中に、まったく異なる立場で日本と関係のあったふたりの話だ」と書いてあった

硫黄島で日本兵と壮絶な戦いを繰り広げたアメリカ人男性と、日本統治下の韓国で生まれ育った女性の話だった 

アメリカ人男性は「あのとき日本人を殺していなければ、自分が殺されていた」と語り、今でもその時の夢を見て、寝ている間に間違って自分の奥さんの首を絞めることがあるという。

韓国人の女性は「8月15日、周りの日本人は皆泣いていたけれど、韓国人は日本の支配から解放される喜びでいっぱいだった。過去のことは忘れるしかないと思う。わたしたちは未来に向かって進まないと」と話していた

サイン会の会場で著者の岡田光世さんに「昨日『この世界の片隅に』を観て、わたしはアメリカに腹が立った。でもエッセイの中のアメリカ人の話を読むと複雑な気持ちになる。岡田さんは太平洋戦争とアメリカ人のことをどう思いますか」と聴いてみた

「わたしはまだその映画を観ていないけれど、アメリカ人も、日本人を殺したくて殺していたわけじゃない。わたしがニューヨークに住んで色んなアメリカ人と交流して良かったのは、『日本人の視点』だけじゃなく『アメリカ人の視点』でも戦争を考えることが出来たことだよ」と話してくれた

日本人がたくさん殺されたことへの怒りが収まったわけでもないけれど、そのエッセイを読んだり著者の話を聞いたり、家に帰ってから自分で色々調べたりしているうちに、「背景はよく分かんないけどとりあえずムカつく」という状態から、「腹は立つけど事情も何となく見えてくる」に変わってきた。 
 
映画を観た翌日のことだったので、とても不思議な縁を感じた。



「絵日記カテゴリー」にいるブログなのに、どういう絵を描いたらいいか分からなかったので、戦争に行って帰ってきて4年前くらいに亡くなったおじいちゃんの似顔絵と、去年遊びに行った「横田基地 日米友好祭」での写真を載せます

ojii

 
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