いま、実家の北九州に帰ってきている。

北九州に帰ると思い出すのが代々木ゼミナール小倉校での日々のことだ。

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予備校に通い始めた頃、朝一の授業に遅刻することを異常に恐れていたわたしは誰よりも早く教室に来ることを心がけていた。

誰よりも早く教室に来るために誰よりも早起きしていたら、眠すぎて授業中に居眠りしてしまうという本末転倒なことになっていた。

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居眠りをしていたら、やはりというか何というか怒られた。突然大きな声を出して若者をビクっとさせることを生きがいにしているタイプの講師に怒られた。

『とりあえず髪がモジャモジャだったな』くらいの記憶だけを頼りに描いてみたが意外と似ている。


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「寝るくらいなら予備校なんか来ないでもっと有意義なことをやれ!そうだ、デートに行け!デートしまくれ!」


大声で怒られたことにその時すごく怖ろしい思いをしたが、「予備校なんか来ないでデートしまくれ」という言葉は今思えば『深いな』と感じる。


当時のわたしは先生の言う「デートしまくる」を選ばず、登校時間及び起床時間を遅らせて睡眠を十分に取り毎日真面目に授業を聴くようになった。

常に一番前の席に座ることを心がけ、怒られた教師にも「お、キミ心を入れ替えたんだな」と言われるまでになった。

しかし夏が過ぎた辺りから予備校に足が向かなくなり、九州大学を目指すこともやめて結局センター試験を3科目だけ受けて東京の大学に行った。

代々木ゼミナール小倉校では数年後、予備校生が予備校生を刺す殺人未遂事件が起き、世間をザワザワさせたまま経営不振のうちに閉鎖になった。